ここ数年、驚異的な経済成長を遂げているパナマ共和国。2014年、運河開通100周年を気に始まった運河拡張プロジェクトが完成すれば、世界中のビジネスに大きなインパクトを与え更なる飛躍を遂げることは間違いないでしょう。日本にとっても中南米における物流や経済の重要拠点として今後ますます注目が集まっています。
パナマ運河拡張工事
パナマ運河は2014年で100周年を迎え、日本の安全保障にとってもますます重要になっています。パナマ運河は、大西洋と太平洋の最も狭い境界部分に位置し、比較的経済的な短距離の航行路として世界貿易を支えています。
パナマ運河は、大型船舶が通れるようにするため、2007年から拡張工事を行っており、第3閘門を建設中です。これにより、航行可能な船のサイズが、幅49m、長さ366m、深さ15mとなり、今まで大きすぎて通れなかった液化天然ガスを運搬する船が通航できるようになります。
運河拡張によりビジネスにも大きなインパクトが
また、現在は北米からの貨物航路は、アフリカ南端の喜望峰を回って約45日で日本に至るルートを使っていますが、パナマ運河が通れるとなると約25 日に短縮できます。これによって船舶燃料の消費量が減れば、CO2 排出量低減にも繋がります。そして輸送量は今までの3倍に増えるとみられ、数年後に始まるアメリカのシェールガス輸入ルートとしての期待も高まっています。
今後、北米東岸やメキシコ湾岸から「シェールガス」を含む天然ガスが日本に輸出される場合にも、拡張後のパナマ運河が使われる見通しで、日本にとってパナマ運河拡張の意義は大きいと言えます。
第3の黄金の馬、航空
パナマ運河拡張に伴い、中南米へのハブとしてのパナマの重要性も高まる中、日本の主要航空会社がパナマへの直行便の運航も検討しています。